いよいよ本題として残します。
覚えてしまえば手順としては分かりやすいのですが...やはり何でしょうか、この裏技を見ているような気分になるのは。
それほど、えーー!そんな手順じゃなきゃ駄目なの?となれます。
まずPhoenixFDを使用出来る状態にはしておいて下さい。
そしてSelfメニューにはPhoenixFDのメニューがある筈です。
そこからベーシックなところで水滴のアイコンをクリックしてシーンに標準的な水の扱いを作って貰っちゃいます。
右から15番目くらいの水アイコンですね。
これのクリックだけでシーンにはシミュレーションのグリッドと球体が出来ると思います。
これでシミュレーションを再生すると球体から水が吹きこぼれてくる筈です。
そしてシンプルにplaneオブジェクトを作ってみましょう。
そのスケールを大きくしまして球体の水を受ける位置へと配置します。
それでシミュレーションを再生するだけで、しっかりとplaneは水を弾く感じになるではございませんか。
そして、やりたいことは、このplaneが水で濡れるような表現にしたいわけです。
さてさてこれからです。
まずこの水滴のデフォルトではシミュレーションにwetmapが含まれていません。
ですからシミュレーショングリッドを選択し、アトリビュートエディタからDynamicsメニューを開きWettingという項目のチェックボックスをオンとします。
これでシミュレーションすることでwetmapをシミュレーションしてくれるようになります。
シミュレーションにて再生すると、濡れる筈の部分にしっかりとパーティクルが付けられたのではないでしょうか。
では、その部分をどうやって濡れた表現にするか?です。
現在のシーンの場合灰色のplaneが濡れた感じになれば良いだけですから非常に簡単に考え、より濃い灰色。むしろ黒に近い色にすれば良いわけです。
そこで次はマテリアルエディタに移ります。
そこからVRay Blend Mtlを1つ作ります。
これは元のマテリアルに別のマテリアルを重ねて表現するようなマテリアルです。
これをまず作ってみるとベースとなるマテリアルが設定されていません。
なので元となるマテリアルをVRay Blend Mtlに作って貰っても構いません。
もちろん、そもそも用意してあるマテリアルを適用することでOKです。
今回の場合何もマテリアルが用意されていないと考え、Base Materialの項目のチェッカーフラッグをクリックすることで自動でVRayの標準マテリアルを作って貰います。
すると灰色のマテリアルが1つ増えたと思います。
これがベースとなるマテリアルです。
そしてまたBlendマテリアルに戻ります。
Base Materialの項目の下にはAdd New Itemという項目がある筈です。
これをクリック。すると。
Coat materialsという項目がプラスされ、これでベースとなるマテリアルに重ねるマテリアルを設定出来るようになりました。
では今回も自動でマテリアルを作って貰います。
Coat Material項目のチェッカーフラッグをクリックすることで新たに灰色のマテリアルが追加されたと思います。
これが濡れた表現をするためのマテリアルとなります。
さてさて。となりますので、その新たに出来たマテリアルを今度はクリックして下さい。
そしてカラーを黒に近い色へと変更。この辺りは説明しなくても良いですよね?
出来たことと考えます。
さてさて、では。ここからややこしくなります。
これにより、ひとまず完成したBlendマテリアルにwetmapの情報を載せる必要がございます。
それに必要なのがPhoenixFDParticleTextureというノードになるわけです。
一気に難しくなってきました。
はい。それはどこにあるか?というと。検索してみないと出て来ません。
マテリアルの検索仕方はご存知だという認識で進めます。
その検索ボックスにPhoenixと入れると、複数のノードが検索結果に表れます。
その中からPhoenixFDParticleTextureというノードをクリック。
すると現在表示されているBlendマテリアルの内容に、そのPhoenixFDParticleTextureが表示されたことと思います。
まだこれだけでは繋がっていません。
さて。そして今一度VRayBlendMtlをクリックしてBlendマテリアルの設定が出来るようにして下さい。
その濡れた表現をするCoatMaterialの下にBlend Amountという項目がある筈です。
そこに今加えたPhoenixFDParticleTextureを繋げる作業になります。
それが、まず何もクリックせずノードの画面をご覧になって下さい。
PhoenixFDParticleTextureが存在している筈ですが、その中にAnimate Blend Radius By Ageという項目が見えますでしょうか。
それをBlend Amountに繋げるのでございます。
繋げ方も一同ご説明しますとAnimate Blend Radius By Ageの上にカーソルを持っていき、右クリックをし続けてドラッグします、それをBlend Amountの上でドロップ。
これで繋げた筈です。
これでマテリアルは完全に完成しました。
次はそのPhoenixFDParticleTextureにwetmapの情報を流し込まなくてはなりません。
その設定がまたややこしいです。
あ、まず事前に水のシミュレーションはさせておいて下さい。必要なフレームまで。
そしてアウトライナウィンドウをご覧になって下さい。
じつはデフォルトの設定だと、そこにシミュレーション情報の項目が表示されていないのです。
ですからアウトライナウィンドウのディスプレイメニューを表示。
その1番上の、DAGオブジェクトのみ、という項目にチェックが入っていると思います。
このチェックを外して下さい。
すると今まで隠されていた詳細な項目がズラッと出てくる筈です。
そこに、Particles_WetMap_ef_0_PhoenixLiquidSimulator1というものがある筈です。
長い名前ですがwetmapという単語がありますので分かりやすいと思います。
さらに、先ほどマテリアルエディタで作ったPhoenixFDParticleTextureの項目となるphxParticleTex_set1というものがあるのも確認出来ますでしょうか。
必ずある筈です。
その2つを見つけたら、Particles_WetMap_ef_0_PhoenixLiquidSimulator1をドラッグしてphxParticleTex_set1へとドロップ。
phxParticleTex_set1の子供にしちゃって下さいませ。
無事phxParticleTex_set1にはParticles_WetMap_ef_0_PhoenixLiquidSimulator1のデータが入ったかと思います。
これでOKです。
あとはレンダリングで確認してみてください。
濡れた場所が黒っぽく表示される筈です。
ややこしい作業。お疲れ様でございます。
PhoenixFDにwetmapを適用
2024年10月13日 Filed in: せいさく