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2006年9月25日

ぴあフィルムフェスティバルには出せないね

昨日は、弟の運動会でした。


昔は
「どうしてこんな運動能力発表会」がこの世に存在するのか、足が遅い自分を呪っていいのか、運動会を呪っていいのかわからないまま大きくなりました。


しかし、あれですね。


保護者の立場になるとわかるものです。


「あって正解だよ!運動会!!」


今年は弟も小学校最後の運動会だったんですが、私自身、毎年、運動会から学ぶことがたくさんあります。


そして私は今年初のビデオカメラ撮影を実行しました。

前に友人が

「オレは写真とか撮らない。カメラがあると写真に頼っちゃうから。大事なものはちゃんと目でみておきたいから。」

とかっこいい台詞を成人式ではいたもんですから、私もカメラやビデオは少し躊躇したんですが、今年は持っていきました。


運動会っていえば徒競走ですよね。

足の遅い私にとっては死にたくなるようなスペシャルメニューでしたが。

しかし、私の弟は私と違って足が速く、いつも一位。去年は二位でした。

そう、去年もミラクルがおきたんです。

私は弟の徒競走が始まりますと、もう心全体、いやあれは魂全体で応援します。


「がんばれーがんばれーがんばれー!!」


はっきり言っちゃうと、私、私の心臓より弟が大事なんです。


もう弟が頑張っている姿を見れたらそれでいい。
それでいいはずなのに、一位になっている弟を何回もイメージトレーニングしてしまう私!!


バン!

レースが始まった!


走った!


速い!いけいけ!

あ!コーナーがコーナーがコーナーが!


頑張れ!頑張れ!もうすぐゴールだあ!


あ!ゴールのとこで接戦!
いけいけ!いけいけ!


!!

やっったあー!一位!やっったあー!

!?


ゼッケン2の男に連れていかれる弟ー‥。


「二位」の旗の下に座る弟ー‥。


え?どういうこと?一位でしょ?何あの上級生判定ミス?どこ見てたんだよこの!今から文句言いにいこうか?

「二位だったよ。」

!?お母さ‥正気?
え、だって私の目には一位に写ったよ?
一位だったよ?確かに弟は一位だったよ?


「いや、最後の最後に抜かれて二位だったよ。」

!!


この時、私は学んだのです。

事実は真実ではないー‥

大事なのは事実ではなく自分が何を信じるかだとー‥。


ふと冷静に戻った私は足元に落ちていたカバンに気づきました。


何コレ‥?


よく見なくても私のカバンでした。応援が激しすぎて持つところが壊れてカバンが落ちたようです。


でもいいんです。カバンが壊れたのも全部ひっくるめて運動会なんです。

でも日にちがたって、弟は本当は二位だったのか思い出してみたんですけど、やっぱり一位なんですよね。
やっぱり事実より真実が大事です。


☆☆‥

これが去年のお話。
これから今年のお話です。
頑張って読んでください。座り直してください。

そう‥、レース前の弟は緊張していました。

徒競走の前の競技が行われていて、並んでいたので写真を撮りに行くと、弱冠嫌そうな顔されてお姉ちゃん傷つきました!クスンクスン。


そして徒競走が始まりそうだったので撮影ポイントへ。


今回は弟のレースのドキドキと、ちゃんと弟の勇姿をビデオにおさめられるのかというドキドキでで、もうどっちなの!このドキドキは!と弱冠もやもやしましたが、レースは始まりました。


走っている弟を撮ります。

頑張れー!頑張れー!
ビデオカメラごしに応援する私。


頑張れーがんばれー。


何?何私ビデオに応援してんの?

応援しなきゃいけないのはビデオなんかじゃない!目の前にいる弟よ!!

そう思って私はビデオから目を外しました。


肉眼で弟が一生懸命走っている姿を見ました。


‥いい顔でした。

絶対家では見られない顔です。その顔を見たら、胸がいっぱいになってしまいました。


レースは終わりました。

校庭の、弟の椅子の近くで、弟が帰ってくるのを待ちます。


さっき邪険にされちゃったし、また邪険にされちゃったらどうしよう!

そんな思いが少し頭の中をかけめぐりました。

「四位だったー!皆速かった!」


そこには、いつもの元気な弟がいました。


「皆速い!」


笑顔でそういう弟に、私は返す言葉が見つかりませんでした。


弟は、すごく負けず嫌いなんです。

その負けず嫌いの弟が、今まで一位、二位だった徒競走で四位とはどういうことか。

しかもその姿を一番見られたくない身内に見られている‥。

弟は「身内に見られる」のを嫌い、野球の試合だって見に行くのを嫌がります。

その弟が、今、四位だったことを笑顔で私に伝えたんです。(正確には私と母。)


!!


これこそ成長の瞬間です。

まず今までうまくいっていたことが努力しないとうまくいかないんだということを知った成長ー‥
そしてうまくいかなくて悔しくても、それを例え家族でも人には笑顔で伝えなければいけないという現実ー‥


弟はこのふたつを、いやもっとそれ以上の事を徒競走で学んだのです。


私は弟のこの成長の瞬間に出会えたことを、本当に嬉しく思いました。

そして、ダンス、騎馬戦をビデオにおさめました。


ダンスの曲は何故か「TSUMAMI」
‥いろんな意味で残念な気分になりました。


そして競技がない時椅子に座って友達と話している弟、下級生の徒競走で三位の子を並ばせる弟、校歌を歌っている弟、たくさんビデオで撮りました。


「椅子に座って友達と話している弟」なんか、もう撮影というか盗撮の範囲で、

「あぁ、俗にいうストーカーというなる人達はこんな気分なのかな。」

と思いました。

結構幸せでした。

ストーカーさんもストーカーさんなりに幸せなのかな、と思いました。


ここで私はまた学んだのです。

「幸せ」って幸せな状況になることじゃなくて、「幸せ」を感じることが幸せなんだなぁって。

ね!?運動会って深いですよね。


そして私は弟の帰り道を待ち伏せして、「お弁当は何が一番美味しかったか。」などインタビューしながら弟が家に入るまでをビデオを撮りました。

歩きながら撮りました。

これがブレア・ウィッチプロジェクトなのかと思いました。


家に入るまでが運動会です。

犬もなぜだか興奮していました。

そして、後に私が撮ったビデオを見てみました。

「‥」

徒競走の良いシーンでは空が映っていたり騎馬戦のシーンでは森が映っていたり、肝心なところが何も撮れていない「運動会・ザ・ムービー」で、ぴあフィルムフェスティバルには出せそうにもありません。


でもいいんです。

大事なものは肉眼で見ておくんです。


やっぱり成人式のお友達の発言は正しいんです。

以上、とっても身内なお話と、写真は目にいれても痛くないと言われている私の弟の後ろ姿です。

皆さんの家族仲良し情報教えてくださいね(^o^)/!

「うちのお母さんのマカロニサラダはうまいんだぜ!」

とか、

「うちのお父さんはあきらって言うんだぜ!」

とか、どんどんお待ちしております!☆☆

おやすみなさいー

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このページは、nonが2006年9月25日 01:49に書いたブログ記事です。

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