くさい街

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くさい、くさい、なんとなくくさいぞ・・・。
僕の今住んでいる家は、風向きによっては空気がくさいと感じます。
鼻を突くような汚臭がするという感じでしょうか。

臭いの元は、工場の大きなエントツから立ち上る煙です。
富士市に訪れたことがある方なら御存知かも知れませんが、こんな煙が市内の至るところにある大きな製紙工場群から、毎日終日空中に排出されています。

僕は富士市で生まれ育った人間ではないのですが、子供の頃から富士市を電車で通過する度に、吉原駅、富士駅周辺の悪臭とも言ってもいい空気の悪さと臭いを感じていました。
高校時代、周囲の市町村から学生が集まっており、富士市出身の子達には「富士って、くさいよなー」と、本人達には何の責任もないような感想がぶつけられてました。

今、富士市で生活するようになって、当時感じていたほどはくさいとは感じていません。
慣れてしまったからでしょうか?
いや、僕の家が煙を噴出する工場の側にはないからかも知れません。
でも、たまに洗濯物を干すために窓を開けていて、頭がいたくなるような感覚になる時があります。
そんな時は、風向きによって、こちらに臭いが運ばれている時だと思います。

富士市の皆さんは、ほんといい人たちばかりですね。
こんなに生活環境を悪化させている製紙工場に対して、批判や抗議活動が行われるようなことはないですもんね。
生活環境の悪化は、健康被害に直結する問題ですから、もっと自分達の生活環境を保障しろ!という抗議活動が、他地域なら表立って噴出してきてもいいように思うんですが。

こういうところが静岡県人、らしいんでしょうか。
僕も静岡県人の端くれとして、まあいいだろう、みたいな空気があるように思います。誰かがやればいい、やるだろうで、じゃあ自分が率先してやるんだ、という気概はあまりないような。

もっとも富士市は製紙工場で支えられていますし、そこで働いている多くの人たちから批判が出ることはあまりないでしょうし、また行政だって、この産業におんぶに抱っこな訳ですから、批判や厳しい規制もできないし、しようとはしない。市長も産業関係者ですしね。

でももう21世紀ですよ。
いいかげん、この富士市の光景は、世界の流れに逆行してはいませんか?
世界の温暖化対策の報道を見るたびに、ここを何とかせいよ、と思います。
富士山を世界遺産に!なんて活動の前に、ここを何とかせいよ、と思います。

勿論、こうした企業は目立つ存在ですから、何らかの対策はやっているんだとは思いますが。
まだまだくさい街ですよ、富士市は。

もうすぐ富士市に「ふじさんメッセ」なる多目的展示場ができます。
http://www.fujisanmesse.com/

天気のいい日は後ろに雄大な富士山が見ることができて、いいロケーションです。
でも、製紙工場の運動場跡地につくった関係で、周囲は製紙工場。
大きなエントツからひっきりなしに煙が排出されています。

今さら展示場なんてつくる意味があるのか?
多目的と称するところ程、無目的なところはないんじゃないか、と思ってますが、このような素晴しい箱物をつくって、ここでイベントや会議をしたとして、利用者はどう思うか。
「あぁ、富士市は環境に対する配慮がないんにもない街なんだな」と思うはずです。
こんな赤っ恥をかくような場所に、外部の人間との接点となる施設を建ててしまったんですね。

少なくてもここで富士山世界遺産に向けてのイベントはやらない方がいいと思います。
活動を台無しにしかねません。
富士市が国際的な批判の矢面に立たないことを願います。

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