近・現代史教育の必要性

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先日の土曜日に日本テレビ系で放送されていた「緊急!ビートたけしの独裁国家で何が悪い!? 」という番組がやってました。
あまり実態の良く変わらない世界各地の独裁国家についての情報が、ほんの一部分なんでしょうけども、わかる番組だったので、何気にチャンネルをまわしただけだったんですが、結局最後までみてしまいました。

以前より興味をもっていたブータンの今後は、この番組をみてますます気になってしまいました。
知らない方が国民にとって幸せだったのか、いや真実は知っておくべきなのか。

こうした問題は現在の日本の国民にも当てはまるものがありますよね。
年金問題とか、皆さんそれぞれ思い浮かぶものがあるかも知れません。
僕は日本の近・現代史教育の現状について思い浮かべました。

番組後半に設けられた、ビートたけしと中曽根元首相、石原都知事との対談でも、石原都知事が奇しくも近・現代史教育の必要性を説いていました。
石原さんのキャラクターについては、あまり共感できる部分は今までなかったのですが、この発言については、僕も以前より同じように必要性を一番感じていた部分でしたので、同感しました。

現在の小・中・高といった教育現場で、歴史教育がどのように行われているのでしょうか。
少なくとも僕の世代(昭和48年生)では、近・現代史教育など教科書にはありましたが、そこまで授業で扱うことはありませんでした。
カリキュラム的にも、そんなところまでは終わりませんでしたし、実際の受験でもそこまで試験問題がほとんど対象となっていなかったからです。
だから受験対策で、そこは学校でも教師が承知で教えませんでしたし。

僕は個人的に大学で歴史を勉強してましたし、その時代も近・現代史ではありません。
もっと前の時代です。
そんな僕が言うのも何ですが、全ての生徒に原始から歴史を教えようとするから結局、近・現代史はおろそかになる訳です。
近世以前の時代史は、専門的に興味をもっている人が大学で学べばいいんじゃないでしょうか。
もっと一般の生徒に必要なものは近・現代史の知識だと思います。
近代以降の日本が歩んできた歴史を直視することが必要なんじゃないでしょうか。
そこから各人それぞれの歴史認識が生まれ、直接的に接している先人たちへの敬意とか、過去への反省とか、現代に生きることの意味とか、考えることに繋がるんじゃないかなぁ。

石原さんは、原始から教えて行くのもいいけれども、現代から近代へと遡って教えていくことの方が必要なんじゃないか、とも発言していましたが、この発言は近・現代史を教える時間を確保したいということの主旨なんだと思います。
実際、歴史を時間軸を遡りながら教えられても、なかなか理解できるもんじゃないでしょう。
近・現代史を日本史のカリキュラムとは別に独立して設けることの方がよりベターなんじゃないでしょうか。

学校で学ぶ教育が全て以後の課程への受験の対象とする必要もないんじゃないかな、とは個人的には思うんですが。受験カリキュラムにない授業では必死で生徒は学ばない、という意見もあるかも知れませんが。
ナショナリズムに繋がるような教育は悪いことのように、つい認識されてしまいがちですが、日本という国はどういう歴史を歩んできた国なのか、そんなことぐらいは最低各人が思い描けないようでどうするの、とは感じます。
国際化もいいんですが、じゃああなたの国はどういう国なんですか?過去の○○についてはどう思うんですか?
こういうことって外国人に聞かれる機会も有り得ることなんじゃないかと思いますが、そんな場面で原始や古代・中世の話を問われることなんてまずないでしょう。
だから原始や古代・中世史が必要ないと言う意味ではないですよ。

近・現代史教育には今もタブーとしなければならないような問題も多々あるでしょう。
こうした現状を見て見ぬ不利をして、ずっと放置してきた日本の教育行政というか、姿勢そのものを問われなければいけない時期に来ているような気がします。
諸外国から靖国問題を相変わらずつつかれてますが、どういった観点で問題になっているのか?
教育現場では教えてないでしょうね。きちんとした戦後の歴史の総括を国がしてないから、しにくのかも知れません。
その点、ドイツの教育現場は、近・現代史教育を見て見ぬ不利などせず、きちんと教えていると聞きました。

教育改革は、ゆとり教育云々で学力が低下したとか、そうした問題ばかりが危惧されているようですが、教育現場は今後の日本人そのもの形成している場な訳です。
本質的な部分に危機感をもっている人が、推し進めないとなかなか変わらないですよね。
こうした点に危機感をもっている人は、いないもんなんでしょうかね。
実は結構な割合でいらっしゃるんじゃないかと思うんですけど。

有識者会議という、何やらどういう人がどうやって集められるのか、基準も理由も内容も影響力もよくわからない会議が、行政絡みではちょくちょく行われますけど、こうした会議に招集されるような「有識者」の人にはどういう認識があるのか・・・。聞いてみたいもんですね。

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